劇団「五反田団」主宰
前田司郎
大学に行くつもりはなかったが、両親に「4年間好きに遊べるのだから入っておけ」と言われ、甘えることにした。
大学入試案内を買ってきて偏差値の低い方から受けていくことにする。
「下の上」辺りに狙いを定め幾つか受けてみたら、和光に受かった。
和光大学は超一流の三流大学であると思う。無数にある三流大学の中で、一際輝いていた。
頂点は一つ、上を目指せば似通ってしまう。山は裾野の方が広いのである。
和光で出会った人たちは、生徒も教授もこれまで会ったことのないような変わり者ばかりであった。
僕は変わり者に憬れていたから、それは素晴らしい環境であった。普通はつまらない。
一流大学の席は埋まっている。二流になってもしょうがない。これからも世界に誇れる三流大学であって欲しい。
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