同窓会会長から和光大学卒業生に贈る言葉

和光大学同窓会
会長 打越雅祥

 

ご卒業おめでとうございます。

最近児童虐待が問題になっていますが、私はその児童相談所に勤務しています。

10歳の小学生の女の子が、父親の虐待により命を絶たれました。しつけという名の拷問を受けた結果です。1年前には、目黒で5歳の女の子が虐待により死亡。両親が逮捕されました。その後、各地で児童虐待が報告され、「懲戒権ちょうかいけん」が国会で問題になり始めました。

懲戒権=こどもをしつけるために懲らしめる権利。肉体的に痛めつけることが、まるで親の権利であるかのように民法第822条には記載されています。

体罰、ネグレクトなど、肉体的精神的な暴力は決して教育的な効果は期待できません。そればかりか人間性を破壊する親の暴力は子に伝わり、さらに孫にまで影響する負の連鎖となっていくのです。

和光大学は、「教育の和光」といわれた和光学園の最高学府として半世紀前に創立されました。教員、保育者として各地で働いている多くの卒業生は、その連鎖を断ち切るべく子供たちと接しています。

 

きっと皆さんも、暴力を許さない心を、大学生活の中で身につけられたと思います。

今の日本の社会には、人間性を否定するブラック企業もあり、決して夢多い世の中とは言えませんが、大学生活の中で学んだことを活かして、それぞれ置かれた立場でより良い社会にしていけるのは皆さんの力です。

和光大学同窓会は設立 7年になります。今まで同窓会作品展「おかがみ」、「九州・北海道地方支部設立」「広報誌発行」現役生に向けては「教職支援講座」、「福祉の仕事講座」、などの活動をしてきました。皆さんも大学生活で得ることはたくさんあったと思いますが、卒業後10年20年30年経つうちに学生生活の良さを実感すると思います。そんな時にはぜひ同窓会を思い出してください。同窓会はいつも皆さんを応援しています。

本日は卒業おめでとうございます。